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小説「霊南坂の星条旗」その32 前編最終回

09年08月23日 17:57:50投稿

[  季節ワーカー ]

 エルシィの婚約者セシル・ライオンが香港出張の際、彼女のためにコカスパニョールの仔犬を買ってきた。 サンボゥと名づけられた仔犬はひょうきんで、邸内を我が物顔で走り回り、アリス夫人の...

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文芸   歴史   アメリカ  

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小説「霊南坂の星条旗」その31 BY KIKUYA FUNAYAMA

09年07月24日 16:04:10投稿

[  季節ワーカー ]

 皇太子誕生を告げるサイレンが高鳴った。 昭和八年十二月二十三日の朝のことである。 「皇居の様子を見てきて欲しい」 グルーの依頼で貞吉はグルー家の愛犬キムを連れて宮城前広場に出かけ...

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文芸   歴史   アメリカ  

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小説「霊南坂の星条旗」その30 BY KIKUYA FUNAYAMA

09年07月19日 13:02:04投稿

[  季節ワーカー ]

グルーは昭和天皇に敬愛の念を抱いていた。 末娘エルシィによれば、 「父は天皇を日本の古代からの連綿たる歴史や伝統、そして日本独自の文化や政治の構図の上に成り立ち、国民の崇拝を受ける...

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文芸   アメリカ   歴史  

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小説「霊南坂の星条旗」その29 BY KIKUYA FUNAYAMA

09年07月07日 18:24:02投稿

[  季節ワーカー ]

 殿様にご恩がありながら、色に溺れたばっかりに大事な場所にも居合わせなかった。しかし仇討ちに加わりたいと必死に思うあまりに、大変な大罪を犯してしまった。今は死んでお詫びをするばかり...

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文芸   アメリカ   歴史  

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小説「霊南坂の星条旗」その28 BY KIKUYA FUNAYAMA

09年07月01日 17:33:46投稿

[  季節ワーカー ]

 やがて勘平とおかるが旅姿で登場する。 「勘平さん」と、姿態(しな)をつくって女形の声色でコビィルのおかるが、ベニングホフ扮する勘平に声をかける。 勘平「これ、鎌倉を出て、やうやう...

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文芸   アメリカ   歴史  

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小説「霊南坂の星条旗」その27

09年06月22日 11:41:00投稿

[  季節ワーカー ]

 「大使のお嬢さんエルシィとライオンさんの婚約祝いに、おかる勘平道行きは、少しおかしいと思いませんか?勘平は最後に腹を切るんです。それをなぜ選んだのでしょう?」 疑問に思った貞吉は...

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小説「霊南坂の星条旗」その26 BY KIKUYA FUNAYAMA

09年06月17日 16:37:21投稿

[  季節ワーカー ]

 軽井沢に来ると、暫しのあいだ公務を忘れ、ゴルフ・コースでクラブを振るのがグルーの楽しみだった。冬は暖房が整っているが、当時のチャンセリー(大使館事務所)や公邸には夏の冷房設備がな...

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文芸   アメリカ   歴史  

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小説「霊南坂の星条旗」その25 BY KIKUYA FUNAYAMA

09年06月10日 11:07:17投稿

[  季節ワーカー ]

 晩餐会に出す料理には、それが西洋料理でもよく日本の陶器が使われた。 「船山さん、今夜のスープにはこの九谷焼を、と考えているのですが、どうかしら?」 アリスの優れた美的センスは殆ん...

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文芸   アメリカ   歴史  

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小説「霊南坂の星条旗」その24 BYKIKUYA FUNAYAMA

09年06月03日 12:32:02投稿

[  季節ワーカー ]

 グルー家の食事は質素だった。朝はコーヒー、トースト、スクランブル・エッグとベーコンといったきわめて当たり前なメニュウである。 卵入りのグラタンが大使の好みなので、夕食によく用意さ...

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文芸   アメリカ   歴史  

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小説「霊南坂の星条旗」その23 BY KIKUYA FUNAYAMA

09年05月27日 13:15:38投稿

[  季節ワーカー ]

 アリス夫人のきめ細やかな優しい心遣いは、いたるところで発揮されていた。 武蔵野の自然が好きで、よく散策に出かけたが、そんなときでも、村山貯水池に水が少ないことに気が付くと、帰って...

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小説「霊南坂の星条旗」その22 BY KIKUYA FUNAYAMA

09年05月15日 10:34:52投稿

[  季節ワーカー ]

 グルー家が着任した当時の東京には、先にも述べたように、不況に苦しむ人々が多くいた。 「どうすれば、あの人達を助けられるでしょうか?」 大使夫人という立場上、表立ったことはできず、...

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文芸   アメリカ   歴史  

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小説「霊南坂の星条旗」その21 BY KIKUYA FUNAYAMA

09年05月09日 11:48:17投稿

[  季節ワーカー ]

 ペリー提督の血を引く大使夫人アリスは、脚が不自由だった。 娘時代、欧州航路の客船のデッキで転倒し、左足を痛め、外見からはわからないが、自分ひとりでは靴下のはけない不自由な脚になっ...

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文芸   アメリカ   歴史  

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小説「霊南坂の星条旗」その20 BY KIKUYA FUNAYAMA

09年04月30日 11:05:04投稿

[  季節ワーカー ]

 アリスもまた大使夫人として来日する前に、日本に来ていた。一八九六年(明治二十九年)、十三歳のときだ。 彼女の父トーマス.ペリーは著名な文学博士で、福沢諭吉に招かれて慶応義塾で教え...

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文芸   歴史   アメリカ  

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小説「霊南坂の星条旗」その19 BY KIKUYA FUNAYAMA

09年04月15日 10:47:25投稿

[  季節ワーカー ]

 ジョセフ.C.グルーは一八八〇年(明治十三年)五月二十七日、銀行家でもあり毛織物商でもあった裕福な家庭の、姉一人、兄二人の末っ子としてボストンで生まれた。 グルー家はイギリスから...

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小説「霊南坂の星条旗」その18 BY KIKUYA FUNAYAMA

09年03月28日 11:11:49投稿

[  季節ワーカー ]

 今日の交通網から云えば東京とワシントンはジェット機で十時間あれば着いてしまう距離で、往復しても二十時間あまりあれば充分だが、しかしグルーの時代はアメリカ大陸を汽車で横断、太平洋を...

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文芸   歴史   アメリカ   ノンセクション  

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小説「霊南坂の星条旗」その17 BY KIKUYA FUNAYAMA

09年03月17日 17:29:23投稿

[  季節ワーカー ]

一日の公務を終え、夕食を済ますと書斎に篭もり、愛用のパイプを燻らしながら、その日の出来事をタイプライターで打つのが、グルー大使の習慣だった。時には夜が更けるまで続くのも珍しいこと...

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小説「霊南坂の星条旗」その16 BY KIKUYA FUNAYAMA

09年03月06日 13:39:51投稿

[  季節ワーカー ]

 公邸には前の大使キャメロン・フォーブス時代のチーフ下田をはじめ岡田料理長、二人の運転手露木と平野、ボイラーマン、ベッドメーキング、掃除洗濯アイロン掛けのメイドや食事係まで計十五人...

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小説「霊南坂の星条旗」その15 BY KIKUYA FUNAYAMA

09年02月19日 13:20:46投稿

[  季節ワーカー ]

 霊南坂の中腹を過ぎると、大使館の塀にアーチ風にくり抜かれた通用門が見える。門をくぐると、そこはもうアメリカだった。 夫妻の車が二台駐車できるガレージがあり、官邸の地下室にあたる部...

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文芸   ノンセクション   歴史   アメリカ  

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小説「霊南坂の星条旗」その14 BY KIKUYA FUNAYAMA

09年01月28日 17:06:33投稿

[  季節ワーカー ]

 新しいアメリカ大使が近々東京に赴任と聞かされ、貞吉の心はときめき「秘書になってくれまいか」とパブスト少佐の誘いを受けた袋物屋泉時代がつい昨日のように思い出された。 在京の大使館公...

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文芸   歴史   アメリカ   ノンセクション  

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小説「霊南坂の星条旗」その13 BY KIKUYA FUNAYAMA

09年01月18日 14:35:53投稿

[  季節ワーカー ]

 銀蝶のゲーム取りは美人揃いのお姐さんたちばかりで、お客の間で評判はすこぶる良かった。その中でも特に美人の誉れ高かったのはまさえである。髪を短めにした洋髪でアール.ヌーヴォー調の簪...

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文芸   ノンセクション   歴史   アメリカ  

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小説「霊南坂の星条旗」その12 BY KIKUYA FUNAYAMA

09年01月09日 15:25:55投稿

[  季節ワーカー ]

客商売にとって心強く、そして有難いのは当然常連客である。銀蝶とて例外ではない。店を開けてもお客の姿が見えず、今日はお茶引きかしらと諦めかけると、「やあ、銀蝶さん」と賑やかに木工所...

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文芸   ノンセクション   歴史   東京   アメリカ  

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小説「霊南坂の星条旗」その11 BY KIKUYA FUNAYAMA

08年12月31日 18:29:08投稿

[  季節ワーカー ]

おこうと暮す貞吉の立場が気になるところだが、陸軍武官パブスト少佐は将軍に出世し、大正十二年(一九二三)すでにオランダ公使として再び東京に着任していた。勿論パブスト公使は国家的使命で...

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文芸   ドキュメント   歴史   東京  

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あなたの隣りにクローンが立っている。

08年12月21日 19:37:34投稿

[  セニア・ロディ ]

 “ドリー”という名前にご記憶がおありか。そう、クローン第1号の羊の名前である。なんと、彼女・ドリーは既に“ボニー”と名づけられた子どもを産んでいるのだ。新聞で親子の写真を見た。一...

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ドリー   螺旋   テクノロジー   文芸   環境   総合   ノンセクション  

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サラリーマン回文<その4>

08年12月14日 17:56:24投稿

[  renji ]

早いもので、今年も師走となりましたが、どうにもならない不況感に襲われております。しかし、考えてみれば、人生、山あり谷ありというものの、団塊の世代にとっては、戦争も経験することなく、...

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文芸  

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小説「霊南坂の星条旗」その10 BY KIKUYA FUNAYAMA

08年12月12日 16:56:05投稿

[  季節ワーカー ]

「奥さん。しい坊のことで、どうしても奥さんに聞いてもらいたいことがあるんだ。立ち話もなんだから、俺のところで話したい」 嫌だと言わせぬ凄みを利かせて、健は銀蝶からいくらも離れていな...

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小説「霊南坂の星条旗」その9 BY KIKUYA FUNAYAMA

08年12月03日 16:15:51投稿

[  季節ワーカー ]

客筋のいい銀蝶だが、ビリヤードを楽しむ客以外にゲーム取りのお姐さんに興味を示す男がいても不思議はない。若い娘さんを預かるおこうの気苦労が偲ばれるが、昭和五年六月、三男坊が生まれ、貞...

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文芸   歴史   ノンセクション   アメリカ  

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小説「霊南坂の星条旗」その8 BY KIKUYA FUNAYAMA

08年11月27日 14:57:48投稿

[  季節ワーカー ]

戦後、渡辺美術工芸と名称を改めたが、当時、日比谷通りに面して銀蝶横丁に入る左側の角に渡辺秀一製作所の看板を揚げた大きな木工所があった。ご主人渡辺さんのビリヤードの腕前は三本を突く実...

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文芸   歴史   ノンセクション  

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小説「霊南坂の星条旗」その7 BY KIKUYA FUNAYAMA

08年11月17日 11:31:54投稿

[  季節ワーカー ]

 まさにこの世のものとは思われぬ、突如襲った天変地異である。大地は激しく揺れ、全壊した建物は十三万余、全焼家屋四十五万余、死者は十四万人以上にのぼり、目を覆わしめる惨状が到るところ...

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ノンセクション   文芸   歴史  

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小説「霊南坂の星条旗」その6 BYKIKUYA FUNAYAMA

08年11月11日 14:20:55投稿

[  季節ワーカー ]

「それに、このさいですから、言わせていただきますが、あなたの妹さん、おみねさんのことです。この家に来るのに、どこから乗りこむのか知りませんが、わざわざ人力車で、これ見よがしに、お店...

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サラリーマン回文<その3>

08年11月09日 17:46:39投稿

[  renji ]

 サラリーマン回文に挑戦して、早くも、その3となりました。はたして回文なるものは、キャリアを積めば上達するものなのか、はなはだ疑問。まあ、継続は力なりということを信じて、行くところ...

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